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30代の転職、キャリアを考えるためのおすすめ本12選

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ここ数年転職が活発になってますね。新卒の扱いも変わって通年採算が当たり前になったら、ますます流動的な労働市場になっていくのだと思います。

ここでは、腰を据えてキャリアを考え、能動的に動くために参考になる本を紹介します。10年以上付き合ってきた本もあり、今でも節目で読み返しています。

 

 

30代で初めての転職。頼れるのは誰?

転職や大きなキャリアチェンジを考えるとき、実質的に相談できる人があまりいないという問題に直面します。特に、ひとつの会社で長く働いてきた30代~40代前半の方だと、周りに相談しにくいのではないでしょうか。

同僚や上司に相談するわけにはいきませんし、身内に相談しても現状維持を求められるだけでしょう。

 

今の会社に残るか外に出るかに関わらず、キャリアの今後を考え始めたとき、自分の内と外、その双方に目を向ける必要があります。

そして、どのような道を選ぶとしても、最終的には自分で決断しなくてはなりません。その意味で、頼れるのは自分だけです。

 

前向きに言うと、現代の世の中には「自分の仕事を自分で選び、キャリアを形作ることができる」機会があります。

しかし、逆の観点では、自分の意志を持たないと行き先が不透明な列車に乗って、身を任せることになります。それは、この先の日本の経済状況やビジネスの変化を考えると、サイコロを振るようなものかもしれません。

  

私はどのようにキャリアと向き合ってきたか

私は、結果的には新卒で入社した会社に10年以上働いています。しかし、会社内で3度のキャリアチェンジ(職種の大幅な変更)を経験しました。戦略的に動いたときもあれば、経験の幅を広げるために試行錯誤的に動いたこともありました。また、単に自分の興味を中心に考えて、リスキーな選択をしたこともありました。

このような動きは、一つの会社で経営層を目指すためには不利になることもあると思います。応援してくれた方がたくさんいた一方で、理解されないことも多かったのも事実です。

 

現在はどうかというと、経験が増えたことで一つの職種を積み上げてきた人に比べてキャリアの選択肢の幅が広がっていると言えます。特に、IT製品開発経験(プロダクトマネージャ)とデータサイエンスの経験を積み上げたことで、10年前よりも選択肢が格段に増えました。

私はSEとして入社したのですが、SEの王道であるSIのPMを直線的に目指していたら、今よりも昇進が早かったかもしれません。しかし、必ずしもその道が自分に合っていたかはわかりませんし、SIビジネスの激変に直面して途方に暮れていたかもしれません。

 

過去のキャリアに関する決断は、基本的には自分自身で考えて決めてきました。たとえ一つの会社にいたとしても、転職に匹敵する職種チェンジをする場合には大いに悩みました。

そのとき、頼りになったのが様々な本でした。手さぐりで転職市場に向き合うとき、実は自分に向き合うことになるのですが、よい本はよい教師になってくれます。

 以下では今でも大切に読み返している本を紹介します。 

 

転職・キャリアの本質を掴むための4冊

転職の思考法

 

最近のベストセラーですが、キャリアの本質を分かりやすく教えてくれる本です。

転職を安易に勧めたり、キャリアの危機を煽るような内容でなく、キャリアをいかに積み上げていくのか?という視点で書かれているのが素晴らしい点です。

資本主義かつ技術の進歩が早い現代では、今日安定している仕事が5年後、10年後になくなってしまうかもしれません。その中では、いかに戦略的に積み上げていくかというのが重要になります。

上の観点を分かりやすく示した本が「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (文庫版:働き方の損益分岐点)」ですが、それを転職を通して実現する方策を教えてくれるのが本書です。

初めて転職を考えた人にも最適な本です。

 

働くひとのためのキャリア・デザイン

 

キャリア研究の第一人者による、一般向けのキャリアデザインの本です。

新書ですが、大変歯ごたえがあり、読むたびに新しい発見があります。自分が置かれた状況や年代によって響く個所が違うという特色もあり、それだけ網羅的だと言えます。

ところで、キャリアデザインの考え方を大別すると、計画重視で考えるやり方と偶発的な方策をとるやり方があります。

計画重視なやり方は、自分を見つめ直して将来像を考えてアクションを決めていくという方法で、わかりやすい解説書としては「グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略」があります。一方、偶発的な方策は目を外に向けてアクションをとり、経験から学びつつ軌道修正する方法で、提唱者の本として「その幸運は偶然ではないんです!」があります。

どちらも有用な考え方ですが、実際に自分のキャリアを考えたときどういった方法をとればよいでしょうか。この本には、両者の考え方を比較しつつ、現実的な考え方を示しています。一見すると学術的な雰囲気のある本ですが、深く読んでいくと非常に実用的な本だとわかるでしょう。

 

ハーバード流 キャリアチェンジ術

 

本書はキャリア・ジェンジ――すなわち、職種や業界を大きく変えるような非連続的なキャリアの転嫁をテーマとしています。単純なノウハウ本ではなく、個人のアイデンティティの問題として捉え、キャリアチェンジに伴う様々な葛藤を描き、分析していきます。

現在のキャリアと新しいキャリアの狭間では、誰もが混乱します。そして、何よりも、今の仕事や会社にモヤモヤとした感覚を持っているときというのは、何をしてよいかわからず途方に暮れることもあるでしょう。

この本では、そうした葛藤とその乗り越え方に焦点を当てています。最後にある種の戦略、キャリアチェンジに対する考え方が示されますが、初めに示されていないのがポイントかもしれません。

  

自分と深く向き合うための3冊

キャリア・アンカー

 

「キャリア・アンカー」とはエドガー・シャインが提唱した概念で、人がキャリアを選択する際に、最も大切で守り抜きたい価値観や欲求のことを指します。キャリア・アンカーのタイプとして、8つのタイプが定義されています。本書ではアセスメントが付属していて、質問に答えることで自分のキャリア・アンカーを知ることができます。

キャリア・アンカーは、自分がどういった仕事のスタイルに充実感を覚えるのか、また居心地が悪いと感じるのか、大まかなヒントを与えてくれます。基本的にキャリア・アンカーは生涯を通じて不変とされています。

ただ注意が必要なのは、キャリア・アンカーは、「あなたに向いているのは○○職です」というような直接的な答えをくれるものではないということです。あくまで、自分の心の底に眠っている自分にとって大切な価値観をあぶりだすものです。自分の意外な一面を発見できるかもしれません。

できればある程度仕事を経験した後に、本書のアセスメントをやってみるとよいでしょう。そういった意味で、30代でやってみるというのはとてもよいと思います。

 

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと

 

本書はリーダーシップ本として著名ですが、実は個人的なキャリアについても重要な視点を与えてくれます。第2部「個人の継続的な成功について あなたが知らなければならない たったひとつのこと」において、個人のキャリア選択について議論されています。

なお、著者のマーカス・バッキンガムは、自分の強みを見つけるツールであるストレングス・ファインダーの解説本の第1版を書いた人で、日本でも一躍著名になりました。

ストレングス・ファインダーの根底にある考え方は、企業にとって効果的な組織を作るには「個人の強み」を中心においた人事をすべきだというものです。これは、個人のキャリア戦略としても非常に重要だと言われていて、ドラッカーも述べていることです(例えばこの本)。

しかし、この本では、バッキンガム自身の仕事経験を分析し、強みだけに着目しているとうまくいかないということを示します。かつて、ストレングス・ファインダーに関する本を書いた著者によるこの指摘はインパクトがありました。とはいえ、ストレングス・ファインダーを否定するものではないので、合わせて考えてみるのがよいでしょう。

 

ハーバードの自分を知る技術

 

自分の経験や過去を振り返り、様々な質問を投げかけながら自分の中にある思いや得意領域を探り当てていくための指南書です。キャリアの転換点においては、王道なやり方を示してくれる本といえるでしょう。

本書はトリッキーで斬新なツールを提示するわけではありません。すでに知っているトピックスもあるでしょう。しかし、自分を知るための魔法はなく、時間をとって過去の自分と対峙することしか方法はありません。そして、それを「仕事」という枠組みで捉え直したとき、新たな自己実現の道が見えるかもしれません。

このような、基本的で穏やかな示唆を与えてくれる本です。

 

キャリア戦略を知るための3冊

ビジネスエリートへのキャリア戦略(未来をつくるキャリアの授業)

 

流動的になりつつある現在の国内の労働市場にあって、どうやってキャリアを開拓していくのか?―この問いに対する一つの回答をこの本は示します。

 野心的なキャリア事例からスタートし、キャリアアップ志向の方にはうってつけの内容だと思います。計画的に年収を上げていく方法を提示する本ともいえるでしょう。

しかし、本書で書かれている具体的な職業、業種の事例や戦略というのは、普遍的ではないかもしれません。ある程度時代の流れや経済状況に営業を受けるからです。むしろ、本書の重要な視点は、狙った仕事を射止めるための方策として「ハブ・キャリア」なる考え方をシンプルに示していることです。

文庫版の「未来をつくるキャリア」というタイトルが、その本質をついていると思います。 

 

ストラテジック・キャリア

 

本書では、経営戦略の考え方をキャリア戦略に取り入れ、様々な方策やツールを提示します。実に経営コンサル色の強い本ですが、事例が豊富でリアリティがあるのが特徴です。

冒頭で、仕事に対する向き合い方を3つに分けて定義し、その中で仕事に前向きにコミットする「天職」に焦点を当てていきます。そして、その天職にたどり着くまでにとるべきアクションを明らかにしていきます。

本書の真骨頂は、「パーソナル・バリュー・プロポジション」という概念です。マーケティング視点で自分の価値提案を考えることですが、これを考えることは自分の本質を練り上げる作業にもなりえます。

そういった意味で、いつの時代にも通用する普遍的な戦略を示す本といえるでしょう。

 

ハーバードビジネスレビュー 最高のキャリアを目指す

 

ハーバードビジネスレビューのバックナンバーですが、kindle版なら簡単に入手できます。

最高のキャリアを目指すという特集で、この中で「キャリアの創造的破壊」という記事があります。この記事では、イノベーション研究で提示される「ビジネスの創造的破壊」という概念を、個人のキャリアに当てはめてた場合の議論がなされています。

自分自身のキャリアを破壊しながら成長させることで、外部環境の変化にプロアクティブに対応しようというものです。短い記事ですが、具体的な方策が解説されていて一読の価値があります。

  

 多様な働き方を知るための3冊

一生、同じ会社で働きますか?

 

なんと12回も転職を経験した著者が、転職に対する独自の考え方を述べた本です。読み物としても面白く、実にユニークです。

金融業界の話ではありますが、外資系から国内企業まで幅広い勤務・転職の経験をもとに書かれたエッセイです。一般に、転職回数が増えすぎるとネガティブな評価になってしまったり、キャリアが先細りしてしまうと言われます。しかし、著者は自分自身として筋の通ったキャリアを貫いていて、読んでいると爽快感すら覚えます。

転職を通してパーソナルブランディングを高めた稀な例と言えますが、考え方として大いに参考になります。

 

出世する人は人事評価を気にしない

 

この上で紹介した「一生、同じ会社で働きますか?」とは逆に、今の会社でキャリアを積み上げてマネジメントを目指すことを意識した本です。これも一つのキャリアの形であり、生き方であると言えるでしょう。また、転職をした場合であっても、組織に属する以上、本書で書かれていることに対峙しなくてはなりません。

本書に書かれていることは、すべての企業に当てはまるわけではないかもしれません。伝統的な国内企業を題材にしたような議論であり、外資系や国内ベンチャーにはおそらく当てはまらないでしょう。

しかし、その一方で規模が大きな国内企業の多くはまだ人事制度的には過渡期であり、本書で書かれている話が当てはまる場合もあると思います。その意味で、ベンチャー企業外資系企業から国内の伝統的な企業に初めて転職する方にも参考になると思います。

中途、叩き上げ問わず、旧来の国内企業の人事制度を学ぶために本書は有用だと思います。同じ著者の「逆転出世する人の意外な法則 ―エリート人事は見た!」もおすすめです。

 

10年後、生き残る理系の条件

 

東芝でメモリ事業の立ち上げに携わった著者によるキャリアサバイバル指南書です。

理系という題名がついていますが、「逆張り」の考え方は文系の方でも参考になると思います。というのも、著者は第一級のエンジニア・研究者でありながら、知見を広げるためにMBAを学び、理系・文系の型にはまらない視点を獲得された方であるからです。

また、東芝のメモリ事業が上り調子でこれから東芝の主力事業になろうとしていたときに、新天地に目指したというのも凄い決断だと思います。逆説的ですが、誰もがよいという選択肢はすでに賞味期限が見えているのかもしれません。

 私も自分が納得できる逆張りな選択をしたいと思っています。