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転職:キャリアチェンジを実現させるには?

ここ数年、転職市場が盛り上がっていますね。

外資系企業に勤める私の知人も転職活動をしていたようですが、短期間でオファーをもらっていました。私のLinkedInのアカウントや会社のメールにも、時折エージェントから連絡がきます。

まさに売り手市場ですが、こうしたチャンスを活かして新しい職種にチャレンジしてみたい!と考えている人も多いのではないでしょうか?

しかし、リスキーなキャリアチェンジをするか、同じ職種で転職するか迷うこともあるかと思います。私自身は、今まで以下のような仕事をやってきました。職種としては結構な振れ幅です。

以下では、私自身のキャリアチェンジの経験も交えながら、キャリアチェンジをするときのヒントをお伝えします。

 

 

 

職種を変える転職は難しい?

皆さんはどのような目的で、転職を考えていますか?

例えば、

  • 専門性や経験を活かして、より職場環境や待遇のよい会社に同じ職種で転職。
  • 企画やマーケティングなど、全く新しい職種で転職。

などあると思います。
一つ目は同職種での一般的な転職、二つ目は異職種に挑戦するキャリアチェンジです。

どうせ転職するならキャリアチェンジをしたいと考える人も多いのではないでしょうか?

私自身そう考えて、転職活動をしたことがあります。しかし、転職エージェントに相談してもうまく行きませんでした。その理由は次の通りです。

  • 転職エージェントは我々を商品として見ているので、できるだけ高値で売れるところを探す。
  • 買い手も即戦力が欲しいので、経験者を欲しがる。
  • 未経験者歓迎というのは、職場環境が悪いか誰でもできる仕事になりがち。

これに加えて、私がはじめて転職を意識したときが、ちょうどリーマンショックの後だったので、転職市場自体が冷え込んでいた時期でもありました。

こうなると、いくら転職エージェントに相談しても、今の仕事と似たような案件ばかり紹介されることになります。

このため、普通の転職活動で大胆なキャリアチェンジをすることは難しいのが、実情です。

 キャリアチェンジのための方法

大胆なキャリアチェンジは難しいと言っても、実際に職種を変える転職をしている人は周りにいますね。彼らはどうやってそれを実現したのでしょうか。

以下のサイトにそのヒントが載っていました。

この中で、異職種転職を実現するためのテクニックとして、次の3つがあげられています。
このうち、1と3を取り上げて掘り下げます。

technique 1 社内転職を活用する!

technique 2 一芸採用に賭ける!

technique 3 汎用スキルで売る!

引用元:「職種変え転職」のセオリー - 転職完全マニュアル - 転職は@type

転職に有利な汎用スキルをどうやって身につけるのか?

転職に有利な汎用スキルというのは、どうやって身につけるのでしょうか?

引用元の記事では、主に若い方がポテンシャル採用を狙う作戦として説明されています。確かにポテンシャル採用は若ければ若いほど有利になると思います。第二新卒もそうですね。

ところで、第二新卒でなくとも、キャリアの中で汎用的なスキルを身につけることで、異職種への転身を実現する人もいます。具体的には、コンサルやマネージャー経験、事業の立ち上げ経験がそれに該当します。

例えば、事業会社のマーケティング職を狙っている人が、コンサルのキャリアを挟むことでそれを実現させる作戦もあります。

このようなキャリア戦略は、以下の本で「ハブキャリアの活用」として、詳しく解説されています。

未来をつくるキャリアの授業 最短距離で希望の人生を手に入れる!

また、次のキャリアがすぐに思いつかない人が、MBA留学とコンサルを挟んでいったん考える…という作戦をとる場合もありますね。この場合も、結果的にハブキャリアを経由することになます。このような人は選択肢が広がり、ジェネラルマネジメントや企画・マーケティング職を目指して事業会社へ出たり、経験を活かしてスタートアップにボードメンバーとして入ったりすることもあります。

確かに、ハブキャリアを経由したキャリアチェンジは、選択肢が広がるという意味で効果的な戦略に見えます。

しかし、誰でも取れる方法というわけでもないでしょうし、ある程度時間がかかる作戦ですから、すでに30台後半になっている方にはやや厳しいかもしれません。

様々な社内天職の形

社内天職というのは、自分自身が所属している会社の中で、何らかの方法を使って職種を変えることを言います。やり方はさまざまですが、例えば次のような方法があります。

  • 社内制度の活用: 社内ポスティング制度、プロジェクト募集など、会社内で公式に用意されている制度を利用して異動する
  • 社内人脈の活用: 上司、同僚などの社内でつながりのある人を経由して、ぴっぱってもらう
  • 偶発的人事の活用: 採用時の配属、不定期な人事異動によって職種が変わることを利用する

社内制度による異動とは、異動希望を出すような間接的なものから、具体的なプロジェクトや部署を希望してマッチングを行い、上司の意向に関係なく異動できるような制度まで様々な形があります。必ずしもすべての会社にある制度ではありません。

このような制度がない場合でも、社内人脈を使う方法や、偶発的な人事を活かすという手もあります。それぞれの特徴を自発的アクションなのかどうかと、振れ幅の大小で4つに分けて整理してみました。

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いろいろな社内天職の方法

偶発人事は採用時の配属も含めて考えます。そうすると、偶発人事や組織内昇進は受動的な色が強いものですが、職の振れ幅でいえば、まったく性質が違います。また、社内制度、社内人脈を使う場合には、自らアクションを起こす必要があります。

私の戦略的かつ偶発的な経験

実際、私はこれまで様々な職種を経験してきましたが、基本的には一つの会社でこれらすべての方法を経験したことになります。

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私の経験(社内天職)

入社して数年は、SE→プロダクトマネージャーとある意味わかりやすい形でキャリアを積み上げています。しかし、その後社内制度を使って、不連続的な動きをしてデータサイエンスの世界に飛び込みました。その後はその場の状況を活かしたり、偶発的な出来事に引っ張られたりしつつ、いろいろな経験を積むことができました

これを一つの会社で経験できたことは非常に稀なことで、社内でもここまで動いている人は少ないです。しかも、昔から漠然と「やってみたいな」と思っていた職種をすべて経験できたというのは、幸運だったといえます。

こうしたチャンスに出会えたというのが、社外への転職に踏み切らなかった要因でもありました。

社内天職の影

さて、今振り返ると思い出補正の効果もあって、なんとなく狙い通りなキャリアに見えることもあります。しかし、一般の「サラリーマン」にとっては、良いことばかりではありません。

私のとった方法は、ジェネラルマネジメントや昇進を目指す方にとっては、必ずしも有利にはなりません。 というのも、国内企業、外資企業を問わず、上司や所属部門の中の人間関係が昇進に影響を与えることが多いからです。社内天職というのは、そういった人との繋がりや評価の積み上げを、一時的に断絶してしまいます。

もし、あなたが、職務内容の充実よりも昇進を目指す「サラリーマン」であるのなら、社内天職に手を出すことは慎重に考えるべきでしょう。

また、社内天職だからといって、組織文化や人事的な評価軸が同じであるかどうかはわかりません。社外に出るよりこれらのリスクが小さいのは確かだと思いますが、私の経験から言うと、想像していたよりもギャップが大きかったです。
以下のエントリーも参考にしてください。

偶発性を活かしたキャリア戦略のすすめ

ここまで、キャリアチェンジのやり方について私の経験を踏まえながら整理してきました。そのアクションが自発的であるかを問わず、職種を変えるというのは大変なことだと思います。

しかし、新卒で会社を選ぶときに、やったこともないのにその仕事が自分に合うかわかる人はいるのでしょうか? 表面的な情報ではわからないことも多いですよね。

このため、自分に合う仕事を見つけるためにも、実際に経験することが必要な場合もあるのです。私自身の経験でも、外から見たイメージと実際の仕事内容が違うと思ったことは多々ありました。しかも、必ずしもマイナスにずれるのではなく、思ってたよりも自分に合ってびっくりすることもあるのです。

アクションを起こし、経験からフィードバックを得て学ぶことが重要です。

したがって、キャリアチェンジの成功確率を上げるためには、エージェントやWebの情報だけから考えるのでは不十分です。いろいろなことを試してフィードバックを得つつ、あるところでは飛び込んでみるというアクションをとることが重要になるでしょう。

点と点、振り返ると繋がっていた

社内天職の話で、私自身の経験について触れました。

私の場合、入社前からSE希望で、SIのプロマネをイメージしていました。
ところが、パッケージ開発部隊に配属となり少々びっくりしたのですが、「まぁやってみるか」と思って仕事を始めました。そして、「プロダクトマネージャー」や「プリセールス」を経験することになり、その面白さにはまりつつ自分に合っていることもわかりました。

また、想像と違ったのが「研究」や「マーケティング」という仕事でした。直感的に「やってみたい」と「少し違うかも」の間で揺れ動きながら飛び込んだのですが、飛び込む前には想像していなかった職場・職種経験となりました。

こうして一社に10年以上勤めながら、普通の人とは少し違う道を歩くことになります。

振り返ってみると、すべのキャリアが「製品企画・開発」という、プロダクトマネジメントを中心に、それに必要な周辺スキルを獲得してきたことに気づきました。

偶発性を活かしながら、自分の戦略的なキャリアストーリーを作ってきたことになります。まさに、スティーブ・ジョブズがいう「点と点をつなげる」という話なのだと思いました。

繰り返しですが、将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。

引用元:「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳 :日本経済新聞

キャリアの創発的戦略

点と点を繋げるというのは、トップダウンで考えるのではなく、創発的に動いてということになります。

パーソナルキャリアの研究分野の中で、偶発性を意図的に起こすという考え方があります。クランボルツ教授による計画的偶発性理論です。

個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。

引用元: 計画的偶発性理論 - Wikipedia

キャリアが進めば進むほど、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」ということに納得できるのではないでしょうか。

ところで、その偶発性を取り入れつつ、自分の意図をキャリアに盛り込むにするにはどうしたらよいでしょうか。偶然に身を任せるのも難しいですし…。

 

ここで、私がヒントとしてきた本を紹介します。

私がキャリアについて悩みだしたときに購入し、それからずっと読み続けている「ハーバード流 キャリア・チェンジ術」という本です。タイトルは軽そうですが、内容はいたって硬派で示唆に富んでいます。

 

本書は、まさに創発的にキャリアを作り上げるにはどうしたらよいか?という問いにヒントを与えてくれました。特に、振れ幅の大きなキャリアチェンジをするときに、大きな支えになった本です。

ハーバード流 キャリア・チェンジ術

ハーバード流 キャリア・チェンジ術

 

この本では、キャリアというものは計画して直線的に進めるものではなく、ボトムアップでいろいろなことを試しながら、徐々に構築していくものであることを主張しています。様々な事例を通してそれを証明していくのですが、各事例で登場する人物の葛藤や迷いが克明に描かれていて、彼らのリアルな物語に圧倒されます。

そして、安易なHow Toではなく、キャリアに対する考え方や戦略の本質を読者に示してくれます。*1

私が本書から学んだキャリアチェンジの方法は、以下の3点に集約されます。

  1. 自分が考える可能性をリスト化する
  2. そのリストを眺めるだけでなく、行動によりフィットするか確かめる
  3. 深く理解し、チャンスの扉に飛び込む

特に、2の行動によって確かめるというのが重要になります。ここで、行動とは安易に転職を決めてしまうのではなく、働いている人にインタビューしたり、仕事を手伝ってみたりといろいろな手段をとる必要があります。

私は、一回目の自発的なキャリアチェンジを社内制度を活用する形で実行したのですが、少々安易だったと反省しています。本当に好奇心を起点として、思い切りだけで動いたところもあったからです。そのおかげで、組織文化やマインドセットのギャップに直面し、いろいろと苦労することになりました。

なので、それ以降のキャリアチェンジでは、偶発性に身を任せながら情報を集め、ここぞというときに自分の意志を強く出すことで、望むキャリア経験を積むことができました。

 

 

いろいろと迷っている方は、まず経験を通して自分の志向性を学ぶアクションをとってみてはいかがでしょうか。その手段として、社内天職や留学を活用するというのが本質なのだと思います。

 

以上、キャリアチェンジのヒントについてのエントリーでした。

 

*1:最後に、重要な10個のヒントが与えられるのですが、ここでは直接引用しません。おそらく、本文を読まないとその真意が伝わらないからです。また、読み手の状況によって受け取り方が大きく変わるでしょう。